
「手取りが増える」の裏に隠れたワナ
いま話題の「103万円の壁」を「178万円」に引き上げるというお話。手取りが増えるのは嬉しいことですが、実はこれ、やり方を間違えると「お札の価値が下がり、物価がもっと上がる」というインフレの引き金になる危険があります。
市場にモノが増えないのに、お金だけが数兆円もドバッと増えれば、モノの奪い合いが起きて値段が上がる。これは経済の基本です。
解決策:出口(回収ルート)をセットにする
せっかく手取りが増えても、それ以上に卵やガソリンの値段が上がってしまったら、私たちの生活は結局ラクになりません。
そこで提案したいのが、「減税(アメ)」と「増税(出口ルール)」をセットで契約するという考え方です。
1. まずは減税(178万円の壁へ): 働く人の手取りを増やし、経済にエンジンをかける。
2. インフレ時の回収(消費税): もし経済が熱くなりすぎて物価がどんどん上がり始めたら、消費税を少し上げて、市場に溢れすぎたお金を回収する。
「えっ、増税?」と思うかもしれませんが、これがインフレを止める一番のブレーキになります。
なぜ「消費税」で、なぜ「機械的」なのか?
「お金持ちから取ればいい」という意見もありますが、市場に溢れたお金を速やかに、かつ公平に吸い上げるには、全員が等しく関わる「消費税」が最も効果的です。
そして、このルールは「機械的な数値」で決める必要があります。
• 政治家の判断はNG: 「選挙が近いから増税はやめよう」といった政治の都合が入ると、ブレーキが遅れて手遅れになります。
• 数値で自動発動: 「物価が○%を超えたら発動」とあらかじめ法律で決めておく。これで「設計思想」が守られます。
• 例外も作る: 震災などの「設計外のパニック」の時は、機械的な判断を止めて柔軟に対応する。
「今」言わないと間に合わない
大事なのは、「178万円への引き上げ」を決める「今」、このセット案を約束しておくことです。
後から「物価が上がったから増税します」と言っても、誰も納得しません。「手取りを増やす代わりに、インフレになったらみんなでブレーキを踏もう」というルールを最初に合意しておく。これが、今の日本に必要な「大人の経済設計」ではないでしょうか。